悪魔になった天使
究明

闇神

ある日海風璃珈は、火妖山に来ていた。僧侶方が修行にも使っているとされているここで、登山しに来ただけではなかった。
目的は山頂で一応パワースポットでもあることからなにがしらの力を得ようとしているのだろうか。
山道を走り10分たらずで山頂に到着、辺りを見渡して、誰もいないことを確認すると、そこに胡座をかいて瞑想を開始した。
己の内と向き合いオリジナルの鮫風璃珈と心から会話をして、これからの自分の行動を話す。鮫風家から追放された自分の身を、璃珈は、なにも言わず、ただ、自由に生きてほしいとそう言って手を離した。
自分は、鮫風家だけじゃなく、この世界の闇とどう戦うか、そこには神風家の裏に怪しく光る、悪の神がいることだけはわかった。その神が何なのか、これは調べる必要がある。人間界を壊すことが目的かも知れないから、そうなれば、鮫風家だけでは対応出来ないだろう。核兵器さえも通じない存在が神風家や、我々鮫風家等存在する。神々もそうだ。だとするなら、神風家の目的はいったいなにか、そこから考える必要がある。そうすれば、裏にいる神が分かるのだ。
そのためには、あるものと契約を結ぶことが必要不可欠だった。
「こんなところに呼び出しとはオリジナルと異なるのね。光の魂よ。」
そこに現れたのは―女神―生を司るカーリー。そう、彼女に本体から私へと契約を結ぶことが最も必要なの。来てもらうためには、神が作り出した山で何かつ神に近い場所が好ましかった。
しかし、カーリーは、海風の呼び出しに不満があるようで、渋く顔を歪ますと一つ尋ねた。
「あなたには、必要以上に私を欲する意味は、分かる。けれど、それは、世界のため、地球のためだとは思えない、言い換えれば、私欲のためだと思うのだけれど」
海風は、その問に、小さく頷くが、口を開いて
「鮫風家の姉妹ゲンカは、止めなくてはいけない、それだけは、避けなくてはいけない、そうでしょ。神でも悪魔でも、姉妹ゲンカだけで、地球が滅ぶなんて、馬鹿げたこと、誰だって思うはず。だけど、あの二人はやりかねない、本気で危険な組み合わせで、何より、あの人を巻き込むわけにはいかない、そう、あの人だけであればあなたの力でなんとかできるでしょ。」
カーリーは少し悩んだあと、首を振った。出来ないと。
なぜ出来ないのか、その問いを言う前に、背後に気配を感じた。振り替えると、そこには鮫風璃珈那が立っていた。
赤い髪を後頭部で束ねポニーテールにしてはいても、その長髪は、腰まであり、腰には刀を提げ、背の丈は165から170の間ぐらい、白と赤目が特徴な眼をしている。
「お姉さまかと思ったけど、なんだー半身か。でも、会えただけでよかったと思うべきかな?」
そう言うと、璃珈那は、海風璃珈に、近寄って行った。
カーリーは、警戒をして少し後退り海風は、その場に立ったまま璃珈那が立ち止まるのをまっている。
約10メートルきたところでやっと璃珈那はとまった。
それを見て安心したように海風璃珈は、口を開いた。
「璃珈那生きていたんだね。よかった。本体も喜ぶよ。」
嬉しそうにそう言うも、璃珈那は、少し寂しそうな表情をして、そうやって私を癒そうとしてくれるんだ。と、ボソリと言うが海風には、聞こえていなかった。
「お姉さまは、元気なの?お義母様は、お姉さまを殺せって命令してきたけど、もし、もう死んじゃってたら意味ないし。」
海風は、それを恐ろしいモノを見るように璃珈那を見つめて首を横にふる。
「そんなことないよ。本体なら元気に次期当主に選ばれて、自分の配下を気遣いながら自分のなすべきことを成し遂げようと頑張っているよ。」
「なら、よかった。これで、お義母様の命令を続行できる、だけど、お義母様からは、半身を殺せって仰らなかったから、半身のあなたとは闘わないよ。」
そう言って笑顔を見せる璃珈那に殺意というものは存在していなかった。むしろ、心から喜んでいるような気もしている。
「それなら、何しに此処へ?」
璃珈那は、わからないと言いたげに首を傾げて
「ただお義母様に此処へ行ってアルテミスと相談してきなさいって言われただけで、そこに半身が来てたなんて思わなかったよ。」
璃珈那の言葉は、本当なのだろう、だが、この子の契約神は、アルテミスだけじゃなかったはず、じゃあ、なぜ、アルテミスに相談するよう命じたのか。
答えは簡単だった。最愛の人を殺すために、最愛であるこの子に何かを吹き込むため、かつてオリオンを殺されたアルテミスがそれを受け入れ、自分の中のオリオンさえも殺した罪人と、同じ罪を買ったのだから。なら、この子が相談する内容とは一体何か。私は、それを追求するには材料が足りないことに気づいた。
やはり、カーリーとの再契約をして、探索を進めなければならない、だが、そのカーリーは、まだ鮫風璃珈に権限があるっと言っていた。璃
本体から抜けないのならどうすれば、変わりの神と言ったらフレイか、ペルセポネぐらいしか思い付かなかった。
「お姉さま?どうしたのそんなに暗い顔をされては、いくら半身でも、妹である私には、心配ぐらいしてしまいます。」
そう言われて、海風は、ハッとしたように璃珈那に向き直る。
いくら何でも、今の璃珈那に不審がられてはいけない。この子の裏にらお義母様、輪那がいるのだから。
璃珈はカーリーに振りかえり
「カーリー、ほかに契約をしていない神はいますか?できるだけ、近くでお願いします。」
「それなら、戦女神アテナのダンジョンにむかいなさい。そこに行き最下位の神殿に彼女は居ます。そこは地下でありながら、高天原になっており、地下ではなく、天空であるため、出るときは、上に戻るようにしないと、間違って、出口が開いてもそこに出てしまうと、宇宙と、地球の重力内の狭間から落ちてくることになり、落下までに燃え尽きる可能性もあるため、間違えないように。」
どういう理屈なのか、璃珈は疑問に思ったが、要するに、半分から下は天空で、半分から上は地上と同じ設計なのだろう、もしかしたら、ワープホールのような感じで繋がってる可能性もあるが、今は、その場所に向かうことが先決である。
「わかりました。アテナ様のもとへ行ってきます。」
璃珈は振り向くと共に、テレポーションを発動させ翔んでいった。残された璃珈那は、カーリーに向かい
「お姉さまに契約しているのは良いけど、なんで半身には貴女の効力が及ばないの?」
カーリーは、最もな発言にため息をついて答える
「私たち女神や神は、一人のものに何人もの神が憑くわけではありません。これは、鮫風家のみが可能にしたもの、いえ、創造神と貴女たちの生みの親ポセイドンが貴女たちに与え、我々に命令を下した為にこうやって契約をしている。此処まではよろしいですね。」
璃珈那は、頷いて
「此処からが本題です。省略するところもありますが、海やダークには、私の力が及ばないのは、半身であり、魂と実態を持った人間、性格には鮫人間と言った方が良いですね。そのため、本体とはまた、別の鮫人間として扱われるのです。私の力が及ばないのは、これが原因で、なにがしら本体とは生命をひとつにしているのなら、私の力が及ぶわけですが、それ事態が切れているため、私の力が及ばないのです。」
なるほど、と璃珈那は、素直に受け止めた、璃珈那のなかに、半身はそれ事態が本体として見られ、そのため、神と契約している実のオリジナルとは別の人間になっているからなのだと。
「それじゃあ、もし、仮にお姉さまがひとつになったら貴女たち神の契約はどうなるの?」
「それは、簡単な話です。本体がひとつになったら、それまで契約した海やダークの神は全て本体である璃珈の契約神となります。ダークのクーフーリンや、ペルセポネ、そして、闇の神々ロキやハーデスなども、璃珈の契約神として従えることになります。」
それを聞いた璃珈那は、目を丸くした。
それは、本体は、闇とひかりを両方帯びた人物であり、契約するよう神が多いことを示すことだからだ。鮫風家でも、最高五体が今まで報告されていることだが、璃珈はその上を行く。おそらく10近くだろう、さらにカーリーは、話を続ける。
「鮫風璃珈が契約しているのはそれだけじゃない。ベルゼブブや、ルシファー、サタン、クイーン、ガブリエル、ザドキエルなど様々のものたちが、半ば強制的に璃珈に従わせてくれと言わんばかりに言い寄って契約したようですが、まぁ、闇は大半彼女の物になったのは確実ですね。なぜ、このようなことが起きたのか。あなたは、わかりますか?」
カーリーが言い終わり璃珈那に質問した次の瞬間、後ろに得たいの知れない気配を感じた。
「分かってる。分かってるつもりだよ。私は、最初からこんなことが起こることを予感してたの。カーリーは、私が何に操られてるか知ってた?知らなかったよね。だって、震えていらっしゃるもの。神風家こそが光を闇に染し存在。この世界を作り直すモノ」
後ろを振り向くカーリーの目の前には、神風愛莉がいた。そして、その背後には
「闇神!いやあれは!」
槍が跳んでくるそして、爆発を起こし辺りは黒い闇へと変わった。山を半分包み込み黒い球体はそのまんま小さくなって行く。その上で、璃珈那は笑いながら、
「上手く逃げちゃったみたいだね。どうするの愛莉?」
「貴女には関係ないわ。それより、目的(ターゲット)である、貴女のあれを殺すために今は、準備しておきなさい。私は、神と共に、世界の作り直し計画、生物滅亡再生計画を実行に移すから。あのものをもう見つけてあることだし。」
その愛莉の目は、真っ黒な炎のような瞳をしていた。
「分かったよ。支配者様。私は、これより戦の準備に写らせていただきます。陛下は、上空からお楽しみください。」
璃珈那もまた、テレポーションを発動させどこかへと去っていった。

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