冷徹社長の初恋
想いが通じるのは会社訪問で!?
翌日、いつもより早くに目が覚めた。春日さんのことばかり考えてしまい、寝付きが悪かったのに、妙に早起きしてしまうなんて……これじゃあ、遠足前の子ども達と同じだわ。

服……何を着て行こうか。

そんなことを考える自分に驚いた。
いつも、通勤着はブラウスとスカートが定番。急に外へ出向くことになっても、そこそこ大丈夫なようにしている。だから、考えるまでもない。おまけに、学校に着いたら、体育のある日はジャージを着るし、そうでなくても万が一何かあった時に素早く動けるように、パンツスタイルに着替えてしまう。
休日だって、そこまで張り切った格好はしない。
服装で悩むなんて……学生の頃以来ってぐらいかもしれない。

そう考えてはっとした。
私、春日さんに少しでもよく見られたいって思ってるみたい。
心臓がドキドキと早鐘を打ち始めた。

なんとなく、自分をごまかしてきたけど……
私、春日さんのことが好きなんだ。憧れとか羨望とかじゃなくて、男性として。

久しぶりのこの感情に、ますますドキドキしてしまう。


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