一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~

過去

中等部2年。

14歳の萌音は、思春期のど真ん中にいた。

初潮を迎え、体つきが丸くなり、周囲の女友達は、恋愛やアイドルの話題で盛り上がっている。

男子生徒といえば、何かと女子をからかい、下ネタをこそこそと話してはニヤニヤしている。

そんな周りの生徒達に交わることもできず、萌音は一人読書に励んでいた。

推理小説や伝記、哲学書、文学書。

たくさんの図書を手に取ったが、恋愛ものだけは興味がなかった。

教えられる保健体育の内容は、妊娠の仕組みと望まない妊娠や性病を避ける方法。

なぜ異性を好きになるのか、そうでない異端の人はどうしているのか?

そういった大切なことは、教科書も先生も教えてはくれなかった。

そんな中、おませな生徒の中には性体験をするものも出てきた。

自慢げに語るその姿。

まるで恋をして早く大人にならない者を馬鹿にするような風潮。

どうしてもその事が受け入れられない萌音は、段々と自分は異端の存在なのではないかと悩むようになっていた。
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