転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
第六章 ティアンネ妃の帰還
皇帝が皇宮騎士団員達をねぎらうよう命じたおかげで、リヒャルトと皇帝の間に不和が生じているという噂は、噂だけで終息したようだ。
 ヴィオラは食事の場に同席したことはないが、騎士団の食事はブッフェ形式で出されることが多いそうだ。
 あれ以来、ご飯の上にどーんとおかずを盛り付けて、自由に丼を楽しむ騎士も出始めているのだとか。
以前から、おかずを勝手に載せる騎士もいたらしいけれど、〝ヴィオラ姫のお墨付き〟ということで、どんな具材を盛り付ければよりおいしくなるのか、開拓にいそしんでいるようだ。

(結局、噂の出どころはわからないままよね……)

 ヴィオラは、庭園に置かれているベンチに座り、リヒャルトとタケルが剣を打ち合わせているのを眺めながら考え込む。

(昨日、皇妃様のところに〝お見舞い〟に来たザーラにも不自然な点はなかった)

 皇帝との面会はできなくとも、気持ちだけは届けたいとザーラが面会を申し込んできた時、ヴィオラはたまたま皇妃と一緒に過ごしていた。
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