思いを乗せたカクテルをあなたに
お酒好きの神様は、カクテルが飲みたい
神界にある小さな福宮(ふくみや)神社。その神社には、黒髪の腰まで伸びた髪を1つにまとめ、巫女服を着た女性がいる。彼女は、服装から見て分かる通り、巫女だ。

「カミラ！」

巫女である彼女、福宮 カミラが境内を掃除していると、境内に声が響いた。カミラが振り向くと、茶髪の女性が立っている。彼女は、福宮 コナミ。この福宮神社にいる神様だ。

「コナミ様……」

「カミラ、 酒はまだか？」

コナミは、大のお酒好き。カミラに良くお酒を買いに行くように頼んでいる。

「……まだ人間界に行っていません。お待ちくだ――」

「いや、今日は私もついていく！」

カミラの言葉を遮り、コナミは言った。コナミの言葉に、カミラは戸惑いを見せる。

「え？し、しかし……」

「一度、カクテルとやらを飲んでみたい」

「…………分かりました。行きましょう……た、だ、し！人間には、迷惑をかけないでくださいね！」

カミラが言うと、コナミは大きくうなずいた。カミラは、たまにはコナミを人間界へと連れていくのも良い、と思ったのだ。

「では、行きますよ？」

カミラは鳥居の前に立ち、呪文を唱え、人間界へと続く道を開いた。そこに、カミラとコナミは飛び込み、人間界へと向かった。
< 1 / 20 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop