白石千絵
北川修司

瀬良柊二



「今日はカードでの支払いはできないそうだ。ちなみに俺は他人に金は貸さない主義だということも言っておく」
「え……だって、奢りって……」
「頼みを聞いてくれるならそのつもりだったが……断るんだろう?」

卑怯な手を使われ、最初は頭にきた。
〝女性恐怖症〟克服のための協力なんて、高級なご飯くらいじゃ割に合わない。

そう思っていたのに。

「こういうとき、本当なら抱きしめて慰めるのがセオリーなんだろうけど……悪いな。俺にはこれが限界だ」

重なった手が優しいから、文句が出ない。

とても優しいこのひとと、私。
一緒にいる時間のなかで、本当に救われているのはどちらだろう。

あらすじ

不動産会社に勤める白石千絵は、幼馴染の瀬良との恋愛を引きずったまま、それを隠し過ごしていた。そんな中、オフィスで瀬良と再会する。どういうつもりなのか、意味深な態度をとる瀬良のせいでただでさえ大変なのに、そこに社内で〝女性嫌い〟で有名な北川まで絡んできて――。

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