シンデレラには····程遠い

···あり得ない


目を覚まし鈴香から
そっと離れる

温もりを求めてジリジリと
動いていたが
シャワーを浴び
着替えをして
鈴香が作っていた夕食を
温めて食べる。

準備をして
再度寝室へ行き
鈴香のおでこにキスをすると
「····けん···と·····さん····」
「ああ、まだ早い、寝ていろ」
と、返す時には
鈴香から、スー、スーと
聞こえていた。

鈴香の近くに
目覚ましを置いてから

マンションを後にした。

玄関をでた所で
潤と合い
「社長、おはようございます。」
と、言われ
「ああ、おはよう。」
と、答えてエレベーターへ。

「鈴香さん?」
「ああ、寝ている。」
と、先程の鈴香を思いだし
クスッと笑うと
潤は、目を広げて俺を見る
「猫みたいなんだ。あいつ。」
と、言うと
目を白黒させた潤を
置いてエレベーターからでると
「藤堂様、須藤様、
おはようございます。」
と、山田さんが、恭しく頭を下げる。
「山田さん、おはよう。」
「山田さん、おはようございます。」
と、返し
「山田さん、時間になったら頼む。」
と、言うと
「畏まりました。」
と、頭を下げる。

潤が不思議そうにしているから
「鈴香、朝が弱いんだ。
大学に遅れないようにな。」
「鈴香様は、ご連絡した時には
起きていらっしゃいますが
念には念を、と思っております。」
と、山田さんが答えるのを
聞きながら、潤はまたまた
驚いていた。

藤堂・クラーク・絢斗と言う男が
女性に対して
このような気を使うなんて
あり得ないし
まして、部屋に入れるなんて
大学を卒業してから
ずっと、この人についているが
一度も見たことがないから
致し方ない。
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