シンデレラには····程遠い
大学から

··鈴香①


絢斗さんとの生活も変わりなく
過ごしている。

葉瑠と絢斗さんは、
たまに電話で話したりして
楽しそうにしている。

絢斗さんのお仕事は
変わらずに忙しく
海外にも出掛けたり。

今では、私の事もあり
海外のお仕事は延期または、
放置?していた⋅⋅⋅⋅らしい。

でも、やはり、行かないと行けないと
潤さんより。

快斗さんも潤さんも
仕事より、私を取る絢斗さんに
驚きながらも
もう、認めるしか
いや、認めてはいる。
二人の中に鈴香は、定着していた。

絢斗さんが、海外に行くときは、
快斗さんか潤さんの
どちらかを必ず日本へ置いて行く。

私を心配しての配慮だが
「子供でないから心配ない」
と、言っても
「子供でないから心配なんだ」
と、言われる始末で。
本当に勝てない。

最初反対だった風花も
今では、認めてくれている。

絢斗さんが不在の時は
一緒に食事をしたりしている。

今回も風花と快斗さんと
三人で食事をとると⋅⋅⋅⋅⋅
「鈴香、卒業後どうするか
決まったの?」
と、風花に言われて
返事ができずにいると
「なに?俺がいると話せない?」
と、快斗さんに言われて
「そっ、そんなことありません。
自分自身が決めきれてないから。」
「それは、兄貴?」と、快斗
「絢斗さんにも話してません。」と、鈴香
「絢斗さんに話してないのを
聞いてもだけど。
話せないから、話してないなら
私達に話してみな。訊くから。」
と、風花に言われて

実は、フランス語専攻の教授より
フランスの姉妹校で
「日本語を教えてもらえないか?」
と、話を頂いていた。

「絢斗さんと出会う前なら
行っていたよね?」
と、風花
「たぶん。」
と、答えると
「行っておいで。
兄貴もきっと、そう言うよ。」
と、快斗さん。
「私もそう思います。」
と、答える
「じゃ?」と、風花に言われて
「鈴香ちゃん、自身が
兄貴から離れられるか
なんだね?」
と、快斗さんに
頷くと
「あれだけ甘やかされたならね。」
と、風花は言ってから
「鈴香。
こんなチャンスは、何度もないよ。
行っておいで。
鈴香のやりたいことに
一番近いでしょ?」
と、言われて
グチグチ悩んでいたが
なにか、ストンと胸にきた。

やはり、話してみよう。
そして、出来たらやってみたい、と。

「うん。帰国したら
絢斗さんに話してみる。」
まだ、不安はあるが
話さないことには
先に進めないと思った。

それに、返事を躊躇していて
教授にも、相手側にも
迷惑をかけていることも
わかっていたから。

それからは、三人で
ワイワイ言いながら
食事をした。
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