2度目の初恋
願って信じる
公平が交通事故に遭ったと聞いてから
一睡も寝ることはできなかった。
確か、10:00から面会可能だったような…
公平のお母さんに許可を取って、病院に行こう。
「もしもし、美羽です。」
「美羽ちゃん、公平が手術終わって今も寝ているの。でもあなたに話したいことがあるから、病院にあるカフェで話さない?」
「わかりました…」
14:00に公平のお母さんと会うことになった。
「美羽ちゃん!」
病院にあるパンが美味しいカフェで会った。
前に、公平をよろしくね。と言われたカフェで。
「公平は、どうですか?」
「今は手術が終わってまだ目を覚めていないの、記憶喪失に関しては検査をして、結果待ち。」
「そうですか…」
「あ、それでね、わたしが呼んだのはね。」
「はい。」
「公平が、走ってたってことがおかしいと思ってね。」
「え?」
「というのも、公平、2年前の事故から走ることが嫌というかトラウマになっていたらしいの。体育祭は仕方がなく走って倒れたから、もう走るのほんとに嫌になった。って言ってたのに、あのときだけ走ったのはおかしいと思ってね。」
「そうなんですか…」
そう言われれば、公平、どれだけ部活や授業で遅れそうになっても走ることはなかった。
早歩きしていた。
決して走ることはなかった。
「それに、事故現場が公平のマンションの先の雑貨屋さんの交差点でね、もしかしたら美羽ちゃんのマンションに向かおうとしたのかなとか思ってね。」
公平のお母さんの言う通り。
思いっきり走りながら、わたしのマンションに向かおうとしてたんだ。
その途中で事故に遭ったんだ…
わたしのせいだ、わたしが一方的に話して出ていかなければよかった…
ほんとにごめん、公平…
でも、公平のお母さんに喧嘩の原因を言うわけにはいかない。
まず公平と話さないといけない。
「わたしはなぜ公平が走ったかわかんないです…」
「そうなのね、わかった。」
「はい、すいません…」
「公平の病室に行く?まだ目を覚ましていないけど。」
「はい、行きます。」
公平の病室は4階の1人部屋だった。
「公平、美羽ちゃん来たわよ〜」
公平は酸素マスクをしていて、頭には包帯でぐるぐる巻きされていた。
「公平…」
公平の右手を握って、早く目覚まして…と言うしかなかった。
そして、心の中ではごめんねと何百回も言った。
その途中に、看護師さんが来て
「公平くんのお母様でしょうか?」
「そうです。」
「医師が話あると言っております、こちらに来ていただけますか?」
「わかりました、美羽ちゃんはここで待っててね。」
「はい。」
そこから1時間経った時、公平のお母さんは帰ってきた。
公平のお母さんの目が真っ赤になっている。
「美羽ちゃん、、」
「はい…」
「公平がかなり頭を打って重症らしいの、いつ目を覚すかもわからないし、記憶もどうなっているかわからないって。」
「そんな…」
「目を覚ましたら美羽ちゃんに連絡するわ。無理して毎日来なくていいからね。」
「わかりました、わたしもう帰りますね。」
「ありがとう、美羽ちゃん。」
わたしは病室を去った。
公平が目を覚すことを祈ることしかわたしにはできない…
たくさん泣いても事故前の時に戻ることはできない。
後悔しても意味ないのはわかっているけど…
涙が止まらない。
これからわたしはどうすればいいのか
頭がごちゃごちゃ。
家になんとか着いて
すぐスマホを手に取って連絡した。
玲那に。
「美羽!?」
「玲那…」
「今来れる?」
「わかった、行くね、美羽のマンションでいい?」
「うん。」
1時間後
「ピンポーン」
「玲那…」
「美羽、入るね。」
いつも玲那はテンション高いのに、今日はやけに落ち着いてる。
わたしの今の状態をわかっているからだと思う。
「美羽、話したい時でいいからね。これ、美羽が好きなシュークリーム買ってきたから食べてね。」
「ありがと…」
わたしは1回大きく深呼吸した。
「公平が事故に遭ったの。」
玲那は黙っている。
「わたしのマンションに向かう途中で、記憶喪失になってからあまり走ることしなかったのに、あの時に走って、事故に遭ったの…しかも結構重症でいつ目を覚すかもわからないって、さっき病院に行ってきた。」
しばらくの沈黙…
玲那はなにも喋ろうとしない。
「美羽、今は公平を信じよう。」
「え?」
「美羽は公平がまりなちゃんだっけ?その子と一緒に遊園地に行ったところを見たんだからそれは変わらない事実だと思う。でもなぜ一緒に行ったかは美羽が予想できない別の理由があるのかもしれない。美羽が昨日学校に来てないってわかってから公平めっちゃテンション低かったよ、ずっと黙ったまま。授業終わったらすぐにカバン持って外に出たし、美羽になにか絶対話したいことがあったんだよ、美羽が知らないなにかを。事故に遭ったのは本当に悲しいけど、今は待つしかない。そして信じるの、公平のことを。公平が美羽に注いできた愛情は偽物に見えないから。大丈夫。なにも不安になることはないよ、公平は絶対目を覚すから。それまで、美羽は美羽ができることをすればいいんだよ。」
「玲那…」
「綺麗事ばっかり言ってしまったかもねw」
笑った顔が本当に可愛い。でもその笑顔には少し悲しみも含まれている感じがした。
確かに今は公平のことを信じないといけない。
いや、義務とかじゃなくて信じよう。信じたい。
わたしは公平のことが好きだから。
今は公平のことを信じて待つのみ。
わたしはわたしがやるべきことをしないと。
「玲那、ありがとう、頑張るね。」
「月曜日から学校きてね、昨日めっちゃ寂しかった〜」
「はいはいw部活も行かないと、もうすぐ大会だし。」
「美羽、キャプテンだもんね!」
「そうだし、2日間休んでしまったから明日1日練だけど行こう。」
「1日練!?しんど!!」
いつもテンションが高い玲那に戻った。
「まぁしょうがないよw」
わたしは玲那のおかげでまた明日から頑張れる気がした。
一睡も寝ることはできなかった。
確か、10:00から面会可能だったような…
公平のお母さんに許可を取って、病院に行こう。
「もしもし、美羽です。」
「美羽ちゃん、公平が手術終わって今も寝ているの。でもあなたに話したいことがあるから、病院にあるカフェで話さない?」
「わかりました…」
14:00に公平のお母さんと会うことになった。
「美羽ちゃん!」
病院にあるパンが美味しいカフェで会った。
前に、公平をよろしくね。と言われたカフェで。
「公平は、どうですか?」
「今は手術が終わってまだ目を覚めていないの、記憶喪失に関しては検査をして、結果待ち。」
「そうですか…」
「あ、それでね、わたしが呼んだのはね。」
「はい。」
「公平が、走ってたってことがおかしいと思ってね。」
「え?」
「というのも、公平、2年前の事故から走ることが嫌というかトラウマになっていたらしいの。体育祭は仕方がなく走って倒れたから、もう走るのほんとに嫌になった。って言ってたのに、あのときだけ走ったのはおかしいと思ってね。」
「そうなんですか…」
そう言われれば、公平、どれだけ部活や授業で遅れそうになっても走ることはなかった。
早歩きしていた。
決して走ることはなかった。
「それに、事故現場が公平のマンションの先の雑貨屋さんの交差点でね、もしかしたら美羽ちゃんのマンションに向かおうとしたのかなとか思ってね。」
公平のお母さんの言う通り。
思いっきり走りながら、わたしのマンションに向かおうとしてたんだ。
その途中で事故に遭ったんだ…
わたしのせいだ、わたしが一方的に話して出ていかなければよかった…
ほんとにごめん、公平…
でも、公平のお母さんに喧嘩の原因を言うわけにはいかない。
まず公平と話さないといけない。
「わたしはなぜ公平が走ったかわかんないです…」
「そうなのね、わかった。」
「はい、すいません…」
「公平の病室に行く?まだ目を覚ましていないけど。」
「はい、行きます。」
公平の病室は4階の1人部屋だった。
「公平、美羽ちゃん来たわよ〜」
公平は酸素マスクをしていて、頭には包帯でぐるぐる巻きされていた。
「公平…」
公平の右手を握って、早く目覚まして…と言うしかなかった。
そして、心の中ではごめんねと何百回も言った。
その途中に、看護師さんが来て
「公平くんのお母様でしょうか?」
「そうです。」
「医師が話あると言っております、こちらに来ていただけますか?」
「わかりました、美羽ちゃんはここで待っててね。」
「はい。」
そこから1時間経った時、公平のお母さんは帰ってきた。
公平のお母さんの目が真っ赤になっている。
「美羽ちゃん、、」
「はい…」
「公平がかなり頭を打って重症らしいの、いつ目を覚すかもわからないし、記憶もどうなっているかわからないって。」
「そんな…」
「目を覚ましたら美羽ちゃんに連絡するわ。無理して毎日来なくていいからね。」
「わかりました、わたしもう帰りますね。」
「ありがとう、美羽ちゃん。」
わたしは病室を去った。
公平が目を覚すことを祈ることしかわたしにはできない…
たくさん泣いても事故前の時に戻ることはできない。
後悔しても意味ないのはわかっているけど…
涙が止まらない。
これからわたしはどうすればいいのか
頭がごちゃごちゃ。
家になんとか着いて
すぐスマホを手に取って連絡した。
玲那に。
「美羽!?」
「玲那…」
「今来れる?」
「わかった、行くね、美羽のマンションでいい?」
「うん。」
1時間後
「ピンポーン」
「玲那…」
「美羽、入るね。」
いつも玲那はテンション高いのに、今日はやけに落ち着いてる。
わたしの今の状態をわかっているからだと思う。
「美羽、話したい時でいいからね。これ、美羽が好きなシュークリーム買ってきたから食べてね。」
「ありがと…」
わたしは1回大きく深呼吸した。
「公平が事故に遭ったの。」
玲那は黙っている。
「わたしのマンションに向かう途中で、記憶喪失になってからあまり走ることしなかったのに、あの時に走って、事故に遭ったの…しかも結構重症でいつ目を覚すかもわからないって、さっき病院に行ってきた。」
しばらくの沈黙…
玲那はなにも喋ろうとしない。
「美羽、今は公平を信じよう。」
「え?」
「美羽は公平がまりなちゃんだっけ?その子と一緒に遊園地に行ったところを見たんだからそれは変わらない事実だと思う。でもなぜ一緒に行ったかは美羽が予想できない別の理由があるのかもしれない。美羽が昨日学校に来てないってわかってから公平めっちゃテンション低かったよ、ずっと黙ったまま。授業終わったらすぐにカバン持って外に出たし、美羽になにか絶対話したいことがあったんだよ、美羽が知らないなにかを。事故に遭ったのは本当に悲しいけど、今は待つしかない。そして信じるの、公平のことを。公平が美羽に注いできた愛情は偽物に見えないから。大丈夫。なにも不安になることはないよ、公平は絶対目を覚すから。それまで、美羽は美羽ができることをすればいいんだよ。」
「玲那…」
「綺麗事ばっかり言ってしまったかもねw」
笑った顔が本当に可愛い。でもその笑顔には少し悲しみも含まれている感じがした。
確かに今は公平のことを信じないといけない。
いや、義務とかじゃなくて信じよう。信じたい。
わたしは公平のことが好きだから。
今は公平のことを信じて待つのみ。
わたしはわたしがやるべきことをしないと。
「玲那、ありがとう、頑張るね。」
「月曜日から学校きてね、昨日めっちゃ寂しかった〜」
「はいはいw部活も行かないと、もうすぐ大会だし。」
「美羽、キャプテンだもんね!」
「そうだし、2日間休んでしまったから明日1日練だけど行こう。」
「1日練!?しんど!!」
いつもテンションが高い玲那に戻った。
「まぁしょうがないよw」
わたしは玲那のおかげでまた明日から頑張れる気がした。