逆転結婚~ブサイクだって結婚したい~
モンスター現れる

 2週間後。


 忍と樹利亜が結婚して2週間の日々が過ぎた。

 
 結婚生活がスタートして、忍と樹利亜は一緒に寝起きはしているが夫婦の営みはまだないままでだった。

 キスはしてくれるものの、それ以上の事を忍はしようとしなかった。

 
 樹利亜は結婚しても仕事を続けると言って、派遣の仕事を続けている。

 朝早く出て夜は遅く帰って来る樹利亜。

 朝ご飯は食べずに出てゆき、夕ご飯も食べないままだった。


 お昼はちゃんと食べているのだろうか?

 忍はちょっと心配になっていた


 優輝と希歩も、家でご飯を食べない樹利亜を心配している。



 そんなに働く必要があるのだろうか? 

 休みの日も仕事だと言って、樹利亜は出て行ってしまう。


 一緒に出掛けたくても、できないままで忍はこのままではいけないと思っていた。



 
 駅前にあるオフィスビル。

 このオフィスビルの一角に宗田ホールディングの自社ビルがある。


 オフィス専門の自社ビルと、リラクゼーションやジムやレストラン街が入ったビルを持っている宗田ホールディング。


 社員の数は300人以上。

 毎日忙しくしているが、休みはきちんととっている。




 お昼休みになって、忍はランチに行くためにビルから出て来た。


 すると、歩道橋の上に見慣れた人物を見かけた。

 目を凝らして見ると、そこには樹利亜がいた。

 樹利亜ともう一人、派手な赤いワンピースを着た女性がいて、何かを受け取っているようだ。

 封筒らしきものを受け取ると、派手な女性は鞄に閉まった。

 何か樹利亜に怒鳴っているような雰囲気がみえて、派手な女性は去って行った。

 俯いて、樹利亜はそのまま去って行った。


 気になった忍は歩道橋へと行ってみた。



 


 忍が歩道橋へ行くと、既に樹利亜はいなかった。


 辺りを見てみたが、どこにも樹利亜の姿は見えなかった。

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