源氏物語〜憧れの人からのご寵愛〜
もうこうなったら楽しもうじゃないの!
にしても私って何歳設定なのかしら。

「ねえおかあさん、私何歳になったんだっけ」
「おかあさん?どこの言葉…?わたくしは藤壺さまにもお仕えしております王命婦ですよ。王命婦と呼んでたじゃありませんか」
「あ、ああ、王命婦!」
「ふしぎなこと、ふふ。暁の姫は光の君と4歳差ですから、8歳です」
「光の君と4歳差…?てことはおにいさま?」
「そうですよ。なんだか今日の暁の姫は違います…。暁の姫は藤壺様から御生まれになった姫君です。光の君は、桐壷様から御生れになった皇太子様です。」
「お二人ともお美しいお方からお生まれになりました。」
「そうですよ、ですからお二人とも天皇ご自慢の御子でございます。ふふ」
「美形な兄妹なこと、ふふ」

私があの藤壺様のお子なの…?
しかも光の君がお兄さま…?


なんて幸せな世界なの…?

「そんなこと話している間に、ほら。光の君がおいでになりましたよ」
「え…?」


「暁の姫おはようございます。ご機嫌はいかがですか?」
「光の君おはようございます。とても清々しい朝を迎えられております」
こんな敬語パッと出てくるとか私の対応力凄い…!

「相変わらず可愛らしい笑顔でわたくしを見てくださるのですね。まるで

藤壺様のようだ…」

「光の君こそいつ見てもお綺麗な顔をしていらっしゃいますね。私のお兄様とは思えません。」
「ふふふ、可愛い妹です。」





「なんてお綺麗な2人なんでしょう…」
「このお二人は兄妹だけれどもいつかはご結婚されてほしいものです」
「そうですわね、ふふ」





光の君とこんなにも話せて可愛いって言われて。
私大丈夫なのかな。


「暁の姫、わたくしは今から清涼殿へ参らなければならないのでここら辺で失礼しますね。
また夜遊びに来ますから。
そのときはまたその可愛らしい笑顔で迎えてくださいね」
「わかりましたわ、光の君、ふふ」
「それでは」



「暁の姫。良かったですね大好きな光の君を朝からご拝見できて」
「やめてよ、王命婦、光の君は私のおにいさまよ?」
「そんな固いことおっしゃらずに。いずれは結ばれる運命だったらどうするのです」
「そうなったら…………嬉しいのに」
「あらあら素直なこと、ふふ。さあ姫君も御準備しましょうね」
「はい」



着替えって言われても…まさかあの単衣?!
あんなのきれないよお




言われるがままに着てみたけど…


「………」

「まあ、可愛らしいこと。さすが藤壺さまのお子ですわ」
「ほんとですわね、可愛らしい」
「光の君を女方にしたような感じで可愛いらしいこと」
「これで源氏の君も姫君以外には目がいきませんね、ふふふ」
※源氏の君=光の君=光源氏

「王命婦はやくいきましょ」
「ああごめんなさいね。さあ皆さん清涼殿へ参りますよ」
「「「はい…」」」



お父様は帝で、お母様は藤壺様。
そしてお兄様は光の君……
仕えてくれる女房もいて…
私ずっとこの世界にいたい!!











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