源氏物語〜憧れの人からのご寵愛〜

葵の上

平安時代の結婚制度としては
男性が女性の局(家)を3日連続通うことで結婚成立がするというものでした

ですからもちろん光の君も左大臣家へ行き、葵の上のもとを通うのでした


しかし


葵の上はなかなか心を開いてはくれません




「葵の上、気分はいかがですか?」


「……まあまあです」


「そうですか…」

「……」


話が続かないときはどうするのがいいのだろうか…困ったものだ。


「…わたくしはもう眠いのでねますね」

「え、葵の上?!」

「おやすみなさい」


スタスタスタ




「え…?」




こんなに素っ気ない女方は初めてだ。
どうすれば良いものか…わからぬ





「失礼いたします。頭中将様が光の君様に御用があるようなのですが、どういたしましょう」

なんで頭中将が…?
※頭中将=葵の上の兄。光の君と共に御所を華やかにしている男方のお一人。

「どうぞお入りください」


「久しぶりだな、光」

「お久しぶりですね、頭中将」

「葵とはうまくやってくれてるか…?」

「ま、まあ…」


実際全然だけどなあ


「それならいい。

あいつは幼い頃から、東宮妃にと言われ育てられたから、本音を言うことや甘えることが下手なのだ

だから今も現に、お前とうまくいってないのではないかと思ってな」


「そ、そういうことですね」


「ああ、だからこれからも妹のことを頼むぞ、光」


「もちろん」






そして少し2人で話を交わし、朝を迎えるのでした。
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