逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
大切な人ー蓮sideー
フランス、スイスから帰国して、ようやく話が出来る。
誤解が解ければと、そう思っていたのかもしれない。

彼女が同窓会と言う名のパーティーへ参加していることを、彼女の兄から知らされ正直あせった。
見せられた写真は、いつもにも増して磨きがかかった、上流階級との集まり。
金髪の青年に囲まれ、とびっきりの笑顔。
寝ぼけて電話していた相手はコイツらか。

オレの彼女なのに胸張って彼氏って言ってもらえるんだろうか。
彼女が帰国する便を調べ、空港で迎えに行き話をするも、なかなか一筋縄ではいかなかった。

どう話せばいいか分からず、聞き方はビジネスライク。
そんな彼女から、感情をぶつけられた。
まだ、好きでいてくれる、どうやったらオレの気持ちが通じて元サヤへ出来るかと
なりふり構ってられずチャンスをくれと頼んだ。
デートして嫌だったらすっぱり終わろう。そんな聞き分けのいいこと出来るわけないくせに
大口叩いてしまった。


激務の合間に、彼女を取り戻すべくデートの約束を取り付けた。
とりあえず、仕事へ戻り明日休暇を取るために明け方まで仕事をこなした。

彼女のデートプランはDランド。
一見クールな三十路の俺に似つかわしくないで場所を指定してくるあたり彼女もなかなかなもので、そういうところが堪らない。
Dランドの情報収集を忙しい合間にやり、とりあえず人気のレストランは抑えておいた。

当日、彼女と一緒に無事入園したが、今日の彼女はいつもにも増して磨きがかかっている。
全身完璧に仕上げてきたデートモード、これは恋人達のデートとやらを成功させないとと気合いがはいる。

とはいえ、彼女ともっと早く仲良くなっていれば、若い頃にやりたかったデート。
そう思うと、力は抜け純粋に彼女との掛け合いを楽しんでいた。
最初は澄ましていた表情もこの状況を楽しもうと思ったようで、一緒に被り物をして、
アトラクションを楽しみ、いい感じの恋人達のデートになったと思う。
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