逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
自分なりの愛し方
ここへ来て、三日が過ぎた。
春はもうすぐで、朝晩は冷え込むけど、空気はおいしい。
山の中で、色んな物から遮断されて、不便だけど人間らしい。

起きて、食べて、寝るだけなのに、きちんと人間らしく生きてる気がするからだ。

私はショップオーナー南さんであり、陶芸作家、南先生の工房へお邪魔させてもらった。

あの心が揺れて崩れそうな日から、自分なりに思いがあって、ここへお邪魔させてもらった。

「芽衣ちゃん、もうすぐ焼けるよ。ヒビが入らず上手くいくといいね。」

「南先生には感謝してます。弟子入りしたいくらいです。」

「突然やって来たときはビックリしたけど、楽しかったよ。」

「だって、生徒募集や体験可能とかって書いてあったから。
ほんと私も楽しかったです。工程が分かったし、自分の好みも分かってきたし。
あー、帰りたくないくらい良いところ。」

「いつでも待ってるよ。」


そこへ、扉が開いた。
お弟子さんの一人に連れられ後ろに立っていたのは、蓮さんだった。

「芽衣、迎えに来たよ。」


そこにいたのは、なんと蓮さんだった。
はー、見つかったか。
あと数日は帰りたくなかったんだけど。
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