逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
本来の自分
待ち合わせのお店で凛子はすでに到着していた。
ここは私達が待ち合わせにいつも使う会員制のレストランバー。
半個室でプライベートが守られるので特定の人が利用しやすい。

さすがに会社仕様の地味女では似つかわしくない所なので
メガネなしのおデコ出しスタイルだ。これが本来の私で、どちらかというと会社は地味仕様。
まあ、性格はあまり派手な事は好まないので地味だけど。


「久しぶり、芽衣。相変わらず私好みのいい女。」

「何言ってるのよ、もう酔っ払ってるの?
突然帰国して何かあったかと心配するでしょう。
どうしたの?ライアンさんは?」

「知らない。一人で黙って帰国したから!
もうライアンとはダメかも。やっぱり10才年の差うめられないのかな。
子供でもいたらいいんだろうけど。」

「凛子。何があったか分からないけど、黙って出てきたら心配するよ。
せめて帰国してること伝えておかないと。」

「昼間、実家に帰ったからそのうち分かるでしょう、帰国してること。
それより、久しぶりの再会楽しもうよ。」

それから、具体的な事は言わないまま凛子と食事とお酒を楽しんだ。

凛子の性格上、自分から言うのを待つのが二人のルール。
太陽と月くらいキャラは対称的だけど、割と私達は似ていて、だから気が合う。

夫婦の問題だからね、私が口を挟める事は出来ないから
せめて凛子の今の寂しさを癒してあげたい。


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