雪女に惚れられた!2
ロンドン警視庁には、今日も多くの事件や事故の知らせがやってくる。

「ピカデリー・サーカスで殺人事件が発生!捜査員は直ちに現場に急行せよ!」

無線の声に、ミステリー小説を読んでいたジェファーソン・ブラッドストリートは顔を上げる。すぐに本を置いて立ち上がった。

「行くぞ!」

同僚にジェファーソンが声をかけると、同僚も飲みかけのコーヒーをテーブルに置いて立ち上がる。

「お前が珍しく休んでいる時に限って事件が多いよな〜」

ジェファーソンは、とても真面目で警視庁内で有名だ。事件がなく同僚たちが話をしている中でも一人でパソコンと向き合っている。未解決事件の資料などを見ているのだ。

「ジェファーソン!待って!!」

階段を駆け下りていたジェファーソンは、背後から呼び止められる。その声にジェファーソンは頬を赤く染め、同僚はニヤリと笑った。

長い黒髪のアジアの幼い顔立ちの女性が階段を降りてくる。彼女は、ユキナ・サトウ。ロンドン在住の日本人で警察官だ。ジェファーソンの同僚でもある。
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