君がいればそれだけで。
三章・血が残した繋がり

世話になります

事は平和に解決していた。腕の立つ暗殺者、ベクウを呼んだのも鬼であるラズハルドとリズレイドが護衛に来る事になったのも。全て、私とヒューを会わせるためであったと王女が説明したのだ。
皆は納得し、会えた事を喜んでくれる者もいた。でも、王女は巻き込んだ事を悪いと思っているらしい。

「巻き込んで本当にすみませんでした。戻りたくなれば手配しますので休暇として楽しんでください」

今すぐ戻りたいと言う者はいなかった。ラズハルドとリズレイドは執事として雇ってもらった俺を鍛え上げる前に戻るのは兵士の誇りが許さないらしい。ベクウは暗殺以外の目的で依頼されたのが珍しかったのか、王女という人物を知るためにもう少し残るそうだ。私の事を覚えているかも危うかったヒューは一緒にいたいからとこの城の専属医師として残るらしい。
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