スーパーヒーロー
『将来の夢』
必ず誰しもが掲げる必要不可欠な目標。
小さな頃から絶対に聞かれる。
「君の将来の夢は?」
僕の答えは…

「ハーイ!皆ー?皆の将来の夢はなーに?」
今日は学校の課外授業である、職業体験だ。
そして僕は今、保育園にいる。
園児たちの前に立ってるのは僕達のグループのリーダーで幼馴染の君。
明るくて、何事にも一生懸命な、主人公みたいな。キラキラしてる女の子。
そんな君が園児達に将来の夢を聞いている。
「俺はねー王様になるんだ!いつかでっかい国を作って!そこで俺はキラッキラの指輪と冠を被るの!!」
「へぇ!いいね!キラキラ!お姉ちゃんもなりたかったなー」
「俺がでっかくなったらお嫁さんにしてやるよ!」「あはは!楽しみにしてるね!」
何を馬鹿な事を。そんなのは無理に決まってる。子供に夢をみさせるだけ後で文句を言われるんだ。

『君の将来の夢は何?』
昔、先生や親や君によく聞かれたこと。将来の夢。 昔は沢山あった。あり過ぎて困るくらい。
君を守る兵隊。皆を守る誰もが夢見るスーパーヒーロー。
今ではとても馬鹿馬鹿しい。将来の夢は夢であってほとんど叶わない。というか叶っていたらこの世はこんなにもサラリーマンで溢れてないだろうし暗い曲なんて沢山出来ないだろう?

「いいねー。皆夢いっぱいでキラキラしてる!!」
「夢なんて大人になりゃ勝手に消えるよ。勝手に目が覚めるのが夢なんだから。」
「またそんな冷たい事言って。いいじゃん!夢あるだけ明るくなるよ?」
「じゃぁ君の夢は?」
「んー……あなたのお嫁さん?」
「冗談は程々にしとけよ。」
「あはは!バレちゃった?それで?貴方の夢は?」「……」
「まだ見つからないの?」
「……」
「いい加減見つけないとー。先生達に怒られるよー」
「分かってる。」
「ならいいけど。」
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