王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。



ただ芭瑠くんを見つめることしかできない。


「無抵抗……とかさ、
ほんと何されても文句言えないね」


ゆっくり唇にある親指が離れて、
それを今度は芭瑠くん自身の唇にあてる仕草がとても色っぽい。


「たまんないなあ……、
僕の腕の中に無抵抗の芙結がいるなんて」

柔らかい唇の感触が頬にそっと触れる。


「唇にしたいけど今日は我慢かな」


さっきまで眠れるわけないと思っていたのに、睡魔には勝てそうになくて、かなり強い眠気に襲われる。


まぶたが重くなって、意識が飛んでしまう寸前、

再度わたしをギュッと抱きしめながら……。



「……ほんとは、
芙結のこと無茶苦茶にしたいけど……ね」


そんな声が聞こえて、ゆっくりまぶたを閉じた。

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