極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
ご主人様と家政婦の私

叶side


「今日は遅くなる。先に休んでいろ」
「かしこまりました。行ってらっしゃいませ」
広く真っ白な玄関先でいつものやり取りをして私から鞄を受け取ったご主人様は碧い瞳をきりりとさせ凛々しい表情で出ていった。
戸が閉まるまで頭を下げ、カチャンと閉まった音を合図にふうと一息ついた私は急いでバルコニーへと出る。
真下を覗いているとエントランスから出てきたご主人さまが見えた。
ご主人さまの勤め先は目の前のオフィスビル48階。だから毎日徒歩で出勤する。
オフィスビルの前ではいつも秘書の梶原さんが待っていて二人合流すると吸い込まれるように中へと入っていった。
5分足らずの出勤風景を見届け、行ってらっしゃいと小さく呟き、さてまずは朝食の後片付けからしますかと腕まくりした。

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