あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
先輩がトイレに行っている間に買ったのは水族館で販売していたアクアリウムキーホルダー。
動かすと水の中の貝や砂が動いてきれいだった。
持っていたペンで水族館のはがきに『いつもありがとうございます。頑張ります!運転も!』とメッセージを書いた。

こんなのいらないと捨てられてしまうかもしれないけど、何かしたかった私からのささやかな気持ちだった。

家に帰ってからも一日の余韻は冷めないまま、私は先輩に買ってもらったトドのストラップを胸に抱きしめながらベッドに横になった。




一生の宝になるような時間だった。

先輩と再会してから、忘れていた感情や初めての感情があふれ出してまるで自分の心じゃないくらいに忙しい。
でも、そんな忙しさに満たされているのも事実だと思った。
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