彼と彼女の甘い秘めごと
▼甘い、苦い、再確認
キーンコーンカーンコーン――…
「それでは今日の授業を終わります」
現状維持の成績となったテストも終わり、いよいよ夏本番。
太陽は燦々というよりギラギラと降り注ぐこの時期がやってきた。
「あっちーな、何しても暑いあっちーわ」
「…ふふっ」
「あー、白石さん笑ったなー」
「だって高見くん面白いんだもの」
――…高見くんとペアを組んだあの日以来、わたしは彼とよく話すようになった。
席が前後だからと言われればそれまでだし、他愛ない話がほとんどだけど
授業で気になったところの意見交換をしたりもしている。