探偵I(タンテイアイ)【第2巻】
・居酒屋



……居酒屋……
……午後5時30分……



地鶏が旨いと評判の居酒屋。



店の名前が入った赤い提灯に明かりが灯る。



店の中が仕事帰りの人達で賑わい、炭火で焼かれた鶏のいい匂いが充満している。




泰平と椋介が向かい合わせで座り、付き出しの枝豆を食べている。




大学時代の話で盛り上がり、そして最近の話に。




白い泡がてんこ盛りの生ビールの中ジョッキがドンッと机の上に届く。




泰平と椋介、この時ばかりは仕事のことを一切忘れて溢れそうな白い泡をスッーと口先で吸い込み、喉を鳴らしながら生ビールを飲んでいく。




泰平と椋介が同時に「ぷはー」っと息を吐いた後、手の甲で口についているビールを拭う。




姿を消している探偵Iと仕様人Kが泰平のそばにいる。




探偵Iが録音機のスイッチをオンにする。


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