雨のリフレイン

お似合い



時間は、ほんの少し遡る。


「柊子、見て」

冬休み直前の特別講座を受講し、先程教わったことを必死にメモしていると、愛美が柊子に声をかけて指差した。

廊下の向こうに白衣姿の洸平を見つける。

「水上先生。やっぱり、かっこいいね〜。
あれ、教授かな?
偉い人と一緒にいたなんて、さすが」

洸平は白衣の医師に頭を下げていた。その医師が歩き出すと、すれ違う看護師もみな廊下の端に避けて深々と頭を下げる。

「ん?
おい、後から出てきたのって、三浦先生じゃね?」

圭太の声に目をやると、洸平の後ろから姿を見せたのは、三浦香織だった。

柊子の胸がズキンと痛む。



「おいおい、お偉いさんと3人で会ってたなんて。
いよいよあの2人、結婚でもするんじゃね?」

「ちょっと圭太。想像だけでそんなこと言わないの。
柊子、まだわかんないわよ。患者さんについてのカンファレンスだったのよ、きっと」


愛美が慌ててフォローしてくれた、次の瞬間。


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