雨のリフレイン

欲しいのはたった一言

「どうせだから、まだ蓋を開けてないし、食べ物持って帰れよ。二人きりになりたいだろ、団長」
「水上ー。僕は、君のことも聞きたいよ。どうしてまた看護学生と結婚したんだ?まだ若いのに。
あ、もしかして…授かった、とか?でも、翔太じゃあるまいし、水上がそんなわけないか」
「俺のことはいいから」
「えー?私も聞きたいわ。
八坂さん、どうして水上先生と?卒業まで待てなかったの?」

思いが通じあった二人は、興味津々で洸平と柊子に焦点を合わせてきた。


卒業まで待てなかったんじゃなくて、とりあえず卒業までは結婚を継続させる条件なのだ。
柊子が卒業して、看護師として働き出し、洸平が横浜へ行ったらどうなるかはわからない関係なんですとは、とても言えない。

洸平をちらっと見るが彼も言葉を選んでいるようで、困った表情を浮かべている。



「私、水上先生のこと、大好きなんです。
こういうのって、タイミングなんだって、三浦先生と山岸先生も分かってらっしゃるでしょ?私には今しかなかった」




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