雨のリフレイン
7.魔女の呪い

決心

桜木に背中を押されたように、柊子はついに洸平と会う決心がついた。
気づかない振りをしていたけれど、赤ちゃんは順調に育っている。
喜んでくれなくていい。
ただ、この子の存在を知らせたい。

拒絶されて、親にはなりたくないと言われたら、キッパリ諦めて一人で育てていこう。


柊子は、勤務表を確認した。明後日の金曜日が休みだった。


ーーご無沙汰しています。
会ってお話ししたいことがあります。明後日の金曜日に横浜に行きます。五分でも構いませんので、お時間を下さい。


送ったメッセージに、既読はなかなかつかない。
だが、もう、迷わなかった。
医療センターの入り口でずっと待っていたっていい。翔太先生に仲介をお願いしてもいい。
とにかく、会わなければ、前に進めない。



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