一級建築士の甘い囁き~ツインソウルはお前だけ~妊娠・出産編

過ぎたるは及ばざるが如し

妊娠5ヶ月。

あんなに目立たなかった萌音のお腹はみるみる大きくなっていった。

つわりもないため、結婚後も旧姓で通していた萌音は周囲を心配させまいと妊娠のことは隠していた。

過保護な海音については、元々過保護だったため誰もその事には触れてこず、問題はなかったのだが、日に日に大きくなる萌音のお腹を見て、いくら鈍い会社の男衆でも気づかないはずはなかった。

「あのう、流川さん、間違ってたらごめん。もしかしてそのおなか、妊娠してるの?」

「はい。結婚もしてます」

「相手は佐和山くん、だよね?」

「はい」

「マジか・・・やっぱかなわねえよな」

二月に入り、そんなやり取りを何度繰り返したことだろう。

そんなに目立つようになったということは、子供たちは順調に育っているということだ。

萌音は笑顔を見せながら、そんな問いかけにも面倒がらずに対応するようになっていた。

妊娠すると性格がかわることもあるというが、萌音は以前のツンツンモードが完全に抜けて、聖母マリアか?というくらい温厚になった。

萌音の妊娠を言い当てた山本家の陽をはじめ、担当する顧客の子供たちをあやす姿はまるで天使のようだと、その両親らからも評判だ。

幸い、肉体労働を強いられない建築設計やインテリア、エクステリアデザインを担当するようにすれば、身重の萌音でもできる仕事はたくさんある。

海音だけでなく、社長の風太郎の過保護も相まって、今では社員一同が、萌音の妊娠、出産をあたたかく見守ってくれていた。
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