皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
帝国のお城へ
【フィンリューク】



俺が尊敬するのは父であり、この帝国の王である、皇帝陛下だ。



民からは絶大な支持があり、とにかく有能で強い。



俺もそうなりたいと、小さな頃から思っていて、できることなら抜いてやろうとライバル視しているのも事実。



「今日の会議はどうでした?」

「結局何も進まん。新しいことを取り入れることに抵抗しかないジジイ共と話していても全く意味がないな」

「そうでしたか…。ん…?父上、これ、毒入ってます…」

「またか…大丈夫か?」

「解毒して来ます。父上も召し上がらない方が賢明かと」

「そうする」



父と話をするのは大好きだ。



政治の話も聞けるし、俺の話も聞いてくれる。



たまにこうして毒殺されかけるが、俺と父上には日常のようなものなのだ。



「殿下、吐きますか?」

「ん…」



腹が減ってたのに…最悪だ。



全部吐き出し、一応解毒。



こんなことにはもう慣れっこ。



< 1 / 480 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop