皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
女子の憧れとは
【フィンリューク】



父上が戻ってから、自分の仕事を終わらせる速度が上がったように感じる。



あの激務を乗り切って身につけたスキルのような、そんな気がするのだ。



「殿下、こちらの書類も目を通して」

「終わった。各部署に届けてくれ。他にはあるか?」

「いえ、今日はこの書類で終わりです」

「よし、明日の会議の資料を探してくる」

「殿下…、有能になりましたね…」

「元からだが?ジェードくんは私を誰だと思ってるのかね」

「今までサボってたということですね、皇子殿下」

「…………」

「では、後はお好きに」



久しぶりの会議に向け、多数の案をまとめた。



俺、できる男になっている…。



おかげで早い時間から暇になった。



「アリスの元へ行く」

「あまり泣かせないでくださいよ…。結婚式の話し合いが入って来るので、不仲では話が進みませんから」

「夫婦仲は良好だ」

「…………おいたわしい」



夕食の前にアリスの元へ来た。



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