御曹司に身分違いの恋をしました。
好きな人との差


母が帰って寝ようにも寝付けない
あと数時間したら準備して
出かけないといけないのに。


今日はお店の5周年記念イベントがあって
18時には準備に行かないといけない。


重い腰を上げorangeへと向かった。


「愛華ちゃん?」


私を呼ぶ声がした
振り返ると会いたかった山口さんが
笑顔で立っていた。


あれから10日ぶり。


「あっ。。。山口さん。。。
お元気ですか?」


「元気だよ
全然連絡くれないじゃん!
こっちは連絡先知らないし」


こっちは?って私も知らなかったよ?
つい先日川相さんから名刺をもらっただけだから。


「え?あたし山口さんの
連絡先知らないですけど?」


「え?」


「え?と言われても」


「渡したじゃん名刺」


「え?いつ?」


「バーで川相さんと相席した時」


「うん?あっ!ごめんなさい
コースターと一緒に・・・間違えて」


「捨てちゃった?」


「・・・と言うこと・・・です」


「はぁー」大きなため息をついた。


「今携帯持ってる?」


「はい」


「貸して」と取り上げられて
勝手に何処かに電話をした
すると山口さんのポッケから音が鳴り始めた。


「はい!登録しておいたから
こっちも登録するね」
と返された携帯の発信履歴には
雅人と打ってあった。


少し特別な気がしたが
すぐに母との話したことが脳裏に浮かぶ。


まだまだ私は自由の身じゃないって。


「今日イベントなんで
宜しかったら来店してくださいね」


「うんわかった
じゃああとで」


あとで。。。約束しちゃった。


重い空気だったけど
今日1日はがんばれそうな気がする。




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