氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#08 ハマりそうかも
#08 ハマりそうかも


 長身な上にスケート靴を履いているものだから、ものすごく、背が高い。

 それだけじゃない。

 ……でかくない?

 どうなってるの、それ。

 ヒョロいイメージの当麻氷河が、でかい。

 肩幅ヤバい。

 そういえば荷物多かったな。

 装備品とか言っていたっけ。

 中に防具を着込んで上からユニフォームを着ているからだとしても。

 ――それにしても、大きい。

 圧倒される。

「やあ。氷河」
「集合です」

 いいところに来た。
 このサイコパスを連れていってくれ。

「先いってていいよー?」

 いやいやいや、

 はやく行け……!

「ナリさんいないと始められません」

 ほらほら。
 こんなに後輩に頼られてるんだから。

 油売ってないで向こう行け。

「はあ。わかったよ。じゃあ、またあとでねエリナちゃん」

 成澤の手がわたしから離される。

「俺のカッコいいとこ見てて?」

 誰が見るか。

 成澤から視線を外すと、ちょうどリキヤさんがやってきた。

 すごい。

 武士みたいな防具つけてる。

 他の選手とは防具の種類が違う、というか。

 足元の重量感が、ヤバい。

 あれ全部で何キロあるのかな。

 着て立ってるだけでも体力要りそうなのに、あれで動き回れるの……!?
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