舞い踊る炎使い
炎の使い手
「……消えろ」

俺は、目の前にいる悪霊を躊躇いもなく斬り捨てる。バサりと俺が羽織っている黒に赤の炎の模様が描かれている羽織が揺れた。

俺は、不知火 燐(しらぬい りん)。そこらへんにいる高校2年生――などではない。

俺の手に持つ黒と赤のグラデーションがかかった刀が、キラリと輝く。その刀を能力を使って炎に変え、俺の髪で1つの髪飾りとなった。

「心配するな……もう大丈夫だ」

俺は、そう言って半透明の女の子に微笑む。不知火家は、代々悪霊と戦う陰陽師であり能力者だ。

「もう危ない真似はするなよ」

そう女の子に言い、羽織を脱ぐ。この羽織は、着た者の姿を消す(霊感がある人には見えてしまうが)ものだ。

その羽織も、能力でブレスレットにすることが出来る。

陰陽師と聞いたら、真っ先に御札を使うイメージがあるかもしれないが……いや、使っている家もあるのだが、不知火家は代々刀を使っている。

陰陽師には、共通の能力を持つ。それは、武器や羽織を持ち運びやすいようにする能力。形状は、人によって違うんだ。

御札だったり、俺みたいにアクセサリーだったり、文房具だったりと色々な。

他にも、人によって違うがもう1つ能力が付くんだ。ちなみに、俺は炎を操る能力。たまに、父さんに『炎の使い手』と呼ばれるんだよな……。
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