触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「あのね、こっちの体調とか……態勢とか…あと回数も考えてよね?」




「ごめん……奈那が好き過ぎてわかんなくなる……しんどいならごめんね」




わかりやすいくらい落ち込んでしまうけど本気で自己嫌悪。
もうしたくないって言われた気がした。
俺がおかしいんだよね…?
何でもかんでも奈那を求め過ぎちゃって……そりゃ限界くるよな。




「ごちそうさま…」




お皿をひこうとしたら
「ちょいちょい待てぃー!」と待ったの声が。
再び座らされる。
何やら考え込んで言いにくそう。
俺、またやらかした…!?
今の奈那が何を思ってるかなんて想像もつかない。




呆れられて嫌われちゃったかな。
ガキだよな。
俺とこういう関係になって後悔してるのかな…?
付き合ったけど思ってるのと違った、みたいな…?




好きだから求めるのは違うのかな…?
相手のことも考慮しなくちゃいけないのは足りてなかった。
自分だけが先走ってた。
奈那を置き去りにしてたんだよね…?
もうしたくないって思ったよね…?




俯く俺の頬を包み顔を上げられた。
真っ直ぐ目が合って……奈那は恥ずかしそうに胸の内を話し出す。




「女の私から言わさないでよね…」と前置きしながら。




「確かに、最近のヒロは見境なく私を襲うよね?しかも今日は2人きりだからいつもより半端ない……」




「ごめんなさい」




「……バカ、私からも襲う隙与えてよ」




「え……!?」




「求められるのも嬉しいけど……こんな可愛いヒロ、私だって襲いたい……時があるって話っ…!」




「本当に!?じゃあ俺、嫌われてないの!?」




「やっぱり……そう勘違いしてると思った……バカ」




額を寄せて奈那からキスしてくれた。
短いキス。
おかわりしたら舌が絡み合う。
もう服の中に手は忍ばせていてホック外しちゃった………




「ヒロが激し過ぎるのがいけないんだからね……」




「それは……直せそうにない」




「……直さなくていいの」




「うーん……腰、大丈夫?それとも足?」







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