僕を壊したのは君だから。

6.朝比奈くんの幼馴染

保健の先生に診てもらったところ、腕の擦り傷以外のケガは無かった。


本当によかった……。



——そして放課後。


スマホの充電が切れたから帰るわーって、いつもながらのマイペースで友達の誘いを断って帰っていくほど、ちゃんと元気だ。


一方。私は精神的に元気じゃない。


「はぁ……」


お昼休みの一件が災いしてか、私に頼み事をしてくれるクラスメイトのひとりでも現れず仕舞いの放課後。


なんてさみしいんだろう。


ここ最近は毎日頼ってもらえてたのにな。



でも「パシリ」なんて朝比奈くんに言われてしまうくらいだもん、もしかしてこういう人とのかかわり方って間違ってたのかな。


でも人から何か頼られるって嬉しいじゃん。


必要とされてるってことだもん。


でも違うのかな、それも。


私、ただクラスに馴染みたかっただけなのにな……。


このまま誰にも頼られなくなって、クラスから私の存在って消えてしまうのかな。


まぁ……しばらくは大丈夫か。朝比奈くんが構ってくれる間は……。



ああもう、マイナス思考。やめよう。お花はこんなに綺麗なんだから!



そう思いながら花壇の水やりを終えて、校庭を歩く。



途中、側溝やベンチの下を覗き込みながら進んでいる。


「……ないなぁ」



朝比奈くんが失くしたという、スケートボードがちょっと気になって探しているんだけど、全然見つからないの。


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