上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
上司の秘密
月曜日。
いつも通りの時間に出社すると、エントランスの一部で人だかりができていた。

なんの騒ぎだろう……?
遠目に見ながら歩いていると、突然左腕を引っ張られた。

「しおり!!知ってた?」

珍しく明日香が落ち着かない様子で、話しかけてきた。

「なにを?」

「三上さんのこと」

「え?涼介さんがどうかしたの?」

「人事部に異動だって」

そう言って、先程の人だかりを指さした。

「どういうこと?」

「今朝、辞令が張り出されたの。三上さん、今日付で人事部に異動だって」

「は?」

「その様子だと、何も聞いてないのね?」

「う、うん」

明日香の言っていることが理解できない。
涼介さんが、人事部に?なんでこのタイミングで?

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