エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
五年越しのプロポーズ
あっという間に冷たい北風が吹きつける十二月に突入した。

父親であることをカミングアウトしたあの日から、宏希さんはさらに積極的に和宏と関わるようになった。

どれだけ疲れて帰ってきても、幼稚園であった出来事に耳を傾け、少しでもよいことがあれば大げさなほどに褒めた。

宏希さんが目いっぱい愛情を傾けてくれるおかげか、幼稚園の速水先生が、「和宏くんがお友達に優しくしているのを見て、周りの子も影響され始めています。本当に素敵なお子さんですね」と称賛してくれるまでになっている。


レーブダッシュには、相変わらずパートとして勤めている。

御曹司である宏希さんとの結婚を見据えているのなら、経済的には働く必要はない。

しかし、私がレーブダッシュの仕事が好きなんだと彼は気づいている。


宏希さんが目を光らせてくれているからか、社長からの接触はあれからない。


「波多野。悪いんだけどお使い頼める? 浅海にハンコもらってきて」
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