みだらなキミと、密室で。
天邪鬼な本音

遥琉 side


俺はいつだって、間違ってばかりだ──。

普段はなんともないことも、海風が関わると何もかもうまくいかない。

改めて、それが身に染みてわかる。



遊園地の観覧車。

今俺の目の前に座っているのは、中学の頃に付き合っていた元カノ。

松本 乃々歌。

俺が初めて、自分の欲望を抑えるために利用した女の子だ。

「久しぶりだね、まさかこうやって会えるなんて」

「あぁ。……あの人とどういう関係なの?」

「あ、早乙女さん?友達の紹介で、最近、知り合ったの」

なんだかぎこちないその話し方に、何か隠しているんだとは思ったけど、

俺にそれを問い詰める権利はない。

俺は、彼女を傷つけた側だから。

「……たまたま、意気投合して、その……だから本当に、びっくり!」

「……」

たまたま、ね。

「やっぱり私、あの時のことずっと後悔しててね。自分から遥琉くんの支えになるって言ったのに、結局逃げて……」

「いや、俺が悪いから。松本は何も悪くないよ。傷つけてごめんね」

嫌な思いをさせて、利用して、ごめん。
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