俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
5.俺様社長は恋のリハビリを熱望する
かりそめの婚約者になった週の出勤前の朝。

彼からメッセージが届いた。


あの婚約者宣言の日からほぼ毎日メッセージが送られてくる。

多忙な中で送られてくる内容は他愛ないものや質問への素っ気ない返事だったりと様々だ。

毎日必ず尋ねられているのは足の調子。

 
昨日のヨガ教室で頼子さんに『愁からよ』と言って小さな包みを渡された。

訝しみつつ中身を確認すると、足の靴擦れ防止やケアグッズが幾つか入っていて驚いた。

どうやら人目を考えて姉に託してくれたらしい。

頼子さんにも足の調子を心配されて、さらには履き心地のよい靴メーカーなども教えてもらった。


ああもう、本当になんでこの人はなんでもお見通しなんだろう。


靴を贈られるよりも、この贈り物のほうが何倍も私には嬉しいのだとなぜわかるのだろう。

板谷社長の心遣いが嬉しくて、でもやっぱりどこか信じ切れずに一喜一憂してしまう。


贈り物を抱えてなにも言わない私に、頼子さんとすずは顔を見合わせていた。

ヨガ教室からの帰り道、自宅に着くまでの間、悩みながらお礼のメッセージを送った。
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