極上弁護士の耽溺プロポーズ
真実
翌朝、行ってくる、と自然に挨拶のキスをされ、わたしは真っ赤になった。

帰ったら光希の誕生日パーティーをしようと言う柊一くんに、目を背けたままコクコクと頷く。

昨夜の記憶がまだ鮮明すぎてまともに柊一くんの顔を見られなかった。

……柊一くんを、誘った。

柊一くんはそうは思っていないかもしれないけれど、簡単に言ってしまえばそういうことで、わたしは自分から柊一くんの部屋に押しかけたのだ。
恥ずかしくないわけがない。

愛おしそうにわたしの頭を撫でて仕事に向かった柊一くんを、わたしはベッドの上から見送った。

今日わたしは留守番だ。

朝、柊一くんと一緒に起きようと思ったら、足に力が入らずシーツの上にへたりこんでしまったからだ。
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