ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース3:アヤマチのハジマリ


【Reina's eye ケース3:アヤマチのハジマリ】



「日詠、取りあえず、開けろって!」


聞こえてきてしまった。
激しくドアを叩く音とすがるような入江さんの声が。



いけない!入江さんのこと、そのままほったらかしだった!

もうすっかり朝だし、あのままドアの前にいたら
本当に不審者扱いされちゃう

ここは入江さんが住んでいる浜松なんだから
知り合いも多いだろうし

だから
取りあえず早く開けてあげなきゃ




ガチャッ!



「伶菜サン?!・・・って日詠、オマエ・・・」


ドアを開けたその瞬間。
黒のダウンジャケットをスラリと着こなした入江さんが目の前に立っていて、入江さんにそう呼びかけられた彼のほうへ視線を大きくずらすと


「伶菜、お前な・・・・」

そこには溜息混じりでそう呟き、手で顔の右側を覆いながら俯いていた彼の姿があった。


あれっ?
私、なにかイケナイことでも?

ああっ!!!!!!!!

私、この格好・・


「そういうコトだったんだな、ゴメン・・・伶菜サン、忙しいトコ邪魔しちゃって・・」

入江さんはそう言いながら即座に彼のほうを向いて軽く睨みをきかせる。


こちらこそ、ゴメンナサイ
バスローブなんていうちょっぴりミダラ?な格好でお出迎えしてしまって

まだ、彼とはそういうことにまで至っていませんが
まだ、未遂ですが
もう言い訳なんてしません



キャッ!!!


目の前が黒い
は、鼻になんだか硬い感触が
この香り、お兄ちゃんのじゃない!!!!!


「日詠。伶菜さんは預かった。だから、早く準備しろ!」

頭の上から聞こえてくる挑発的な声。


っていうコトは
入江さんに、私、抱きかかえられてる?!


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