四季〜巡る時を、君の隣で〜
冬花と冬樹〜雪の降る日に、永遠を誓おう〜
クリスマスイブの日、私、冬花(とうか)は胸を弾ませていた。

「いよいよ、明日だね」

ミルクティーを飲みながら、緊張したように私の夫である冬樹(ふゆき)くんが言う。カレンダーには、大きなハートマークが描かれている。だって明日は、私たちの結婚式だから。

私は、冬樹くんとイギリスに住んでいる。冬樹くんが転勤することが決まり、プロポーズされてお互いの両親に会ってすぐに入籍した。だから、まだ結婚式は挙げてなかったんだ。

「やっと結婚するって感じがするよね」

私が言うと、「うん」と冬樹くんが微笑む。イギリスに来てからは二人で過ごす時間も増えたけど、式を挙げていなくてずっと変な感じだった。

「冬樹くんにプロポーズされた日に結婚式挙げれるなんて、ロマンチックだな〜……」

私はまだ指輪のない左手を見つめ、フフッと笑う。綺麗なドレス姿を冬樹くんに見てもらえる。そう思うと、緊張よりも嬉しさの方が強い。
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