四季〜巡る時を、君の隣で〜
夏未と千夏〜一瞬でも、君の光に〜
日本の南にある離島の夏は、いつも賑やかだ。なぜなら夏祭りがあるから。島の人はみんな、胸を弾ませている。

あたし、夏未(なつみ)も夏祭りを楽しみにしている一人。可愛い浴衣を着て、出店の食べ物を食べて、遊んで、彼氏の千夏(ちか)と花火を見てーーー。

「絶対ダメだ!!夏祭りには行かせない!!」

「何で!?こんなに元気になったんだよ!?」

あたしは千夏にそう言われ、子どものように駄々をこねている真っ最中。去年は「行こう」って千夏の方から言ったのに!

「もう浴衣の準備、できてるんだよ?」

「でも、お前病み上がりだ。無理してまた熱出したらどうすんだよ」

そう、あたしは昨日までずっと熱を出していた。やっと熱が下がってお祭りに行けるってわくわくしてたのに……。千夏ってば変なところで心配性なんだから!

「彼女の可愛い浴衣姿、見たくない?」

「うっ……。ま、まあ見たいけど、夏未の体の方が大事だろ!とにかく、夏祭りは行かせない!」
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