Rainy day
3.複雑な気持ち
「ありがとう」

12月に入ると、沙織の受験関係も一段落して、俺達は隆道と会った。

社長から借りた車で隆道の住む町へ行った。

9月の、レースの写真を沙織が渡すと隆道は喜んで受け取った。

3人で会うとは。

何となく居心地が悪い。

俺は小さくため息をつく。

ファーストフード店の窓には大粒の雨が叩きつけられている。

まるで。

自分の心の中みたい。



「そーちゃん」

隆道は俺の顔を覗き込んだ。

「大丈夫?顔色が悪いよ」

「う、うん。大丈夫だよ」

俺は笑ってみせた。

「俺ん家、来る?
ちょっと休んでいきなよ」
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