雪に咲く華
勉強会
葵side
『2年、水瀬葵さん。至急理事長室まで来てください』
放課後、校内放送で自分の名前が呼ばれる。漫画とかでよくあるシーンだけど、これって想像よりはるかに恥ずかしい。
真なんか隣でケラケラ笑ってる。
「なんだよ葵。お前なんかやらかしたのか?」
失礼な。真じゃあるまいし。
「多分一度会いに来いってことだと思う。転校してきた日、理事長が出張で挨拶できなかったから」
まあそれだけじゃない気がするけど。
用事が終わるまで待っててくれるという真を教室に残し、理事長室へと向かった。
「失礼します」
コンコンとノックをして呼びかけると数拍の後に扉が開いた。
「よう葵!久しぶりだな」
「元気だった?」
「はい。お久しぶりです、忍さん、雅輝さん」
東雲の理事長の結城忍さんと、遠坂雅輝さん。2人は3代前の双龍総長と幹部だった人たち。昔から何かと私の面倒を見てくれるお兄ちゃん的存在だ。