3LDK、バス・トイレ・〇〇付き
第1話

プロローグ

━━2018年4月…。

のどかな道を、二人の女性が歩いていた。

二人のうち、一人の名前は松平なつき(まつだいら・なつき)、サラッと指通りの良さそうなナチュラルブラウンの長いストレートヘアが良く似合っている、22歳の美女である。
もう一人の女性は、佐川まなみ(さがわ・まなみ)、肩までのほんのりブラウンがかった、ゆる巻ヘアがよく似合う、こちらも22歳の美女である。

━━二人は、福島県会津若松市(ふくしまけんあいづわかまつし)に来ていた。

旅行に来ている訳ではない…。

彼女達は、この会津若松市に住もうとしていた。



━━遡ること、数ヶ月前…。

「━━私、福島に住もうかと思って…。」
と、なつきは言った。

「ん?」
まなみは、なつきを見て、
「福島?」
と訊いた。

ここは都内にある、なつきの住んでいるマンション。
まなみが遊びに来ていた。

「うん。」
と、なつきは頷いた。

「どうしたの急に?」
と、まなみは訊いた。

「なんか、都会の生活に疲れた…。」
と、なつきは呟くように言った。

なつきの職業はモデルである。
身長は164cmと、そこまで高くはないが、カメラの前で見せる表情は、見た人をを惹き付けて離さない、不思議な魅力を持っている。

一方、まなみは、モデルのなつきの影に隠れがちだが、実は、なかなりの美女である。
職業は、派遣スタッフをしている。
まなみは、中学受験をして、私立中学に通っていた程の秀才である。
その為、一流企業にも就職は可能であったが、あえて派遣スタッフの道を選んだ。
━━元々、旅行が好きなので、派遣スタッフになって、期間終了時期を上手く活用して、旅行に出掛ける為だ。
ちなみに、身長は161.9cmだが、面倒なので162cmと周りには言っている。

「でも、どうして…福島?」
と、まなみは訊いた。

「東京から近いような遠いような、そんな感じが好きなの。」
と、なつきは答えた。

「あぁ、確かに…。」
とまなみは頷いてから、
「ねぇ…なつき…。」
と言った。

「何?」
なつきは、まなみを見た。

「私も一緒に行っていい?」
と、まなみが訊いた。

「え!?」
なつきはまなみを見て、
「福島に?」
と聞き返した。

「うん、ちょうど派遣会社の支社が福島にあって、そこで再登録出来るし。」
と、まなみは目を輝かせた。

「本当に?」
なつきはまなみを見て、
「一人だと少し不安だったから、嬉しい!」
と、なつきは笑顔になった。

「うん、一緒に住む?」
と、まなみは効いた。

「うん。」
なつきは頷いた。

━━そして二人は、福島に引っ越す事にした。
< 1 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop