ねえ、理解不能【完】
最低なのは私











家に帰って携帯を確認すると、ゆうから不在着信が4件とメッセージがきていた。



また恐怖がよみがえりそうになったけれど、なんとか堪える。ゆっくりと息を吸って吐いて。さっき、私をなでてくれた千草の手を思い出す。


それから、恐る恐るメッセージを開いた。




【本当にごめん】



絵文字も何もない真っ直ぐな六文字の後ろに、ゆうがすごく申し訳なさそうに歪めている顔が思い浮かぶ。


ごめん、と思うならしないでほしかった。
そんなことは、思っても意味ないけれど。
思う資格がないとは、思わないよ。



だけど、分かってる。



私の身体を傷つけたゆうだけど、心だけだったらきっと私のほうがゆうを傷つけていた。

私がやめてと言ったことをゆうがしたのは初めてで、そのことがまぎれもない証拠なんだと思う。


だけど、私が怖かったのも事実だ。許せない、って思ってる。









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