Get over it.

美乃里

美乃里がガーディアンにやってきたのは、一か月程前になる。

私がいつものように、Barの2階で律、類、樹といるとバタバタと足音が聞こえ

響と朝陽、そして足を擦りむき、頬が腫れた女の子が入ってきた。

聞くと繁華街で男に絡まれていたのを、2人が助けたということだった。

女の子は、初めビクビクしていたが、女の私がいて少し落ち着いたようだった。

よく見ると、小さくてとっても可愛い子だった。


手当が終わると帰るという女の子を響が「送る」と声を掛けた。

私達は、響の行動に驚いた。

何故なら響をはじめ、幹部のメンバーは女に対して警戒心が強い。

寄ってくる女は多いが、自分から声を掛けるなんて見たことが無かった。

女の子と響が部屋を出ていくと類が「響にもようやく春がきたのか?」と

言いだすと、皆でニヤニヤしだした。


次の日、女の子がBarにお礼にとお菓子を持って訪れると響が隣に座るように
声をかけ、優しい目をしながら話していた。

その日も、響が送り、戻ってくると「付き合うことになった」と報告した

私も他の皆も、一緒になって喜んだ。

それから、毎日Barに女の子も来て、一緒に過ごすようになった。

明るく可愛い女の子は、幹部やメンバーの皆の大事なお姫様になった。

それが、美乃里。





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