リベンジ学園
「今から小原紗栄子の机から出てきた遺書を読む。

みんなは席に座ったまま、紗栄子の遺書を聞いて欲しい」



加藤先生がそう言うと、教室の中に緊張感が走った。



自殺した紗栄子の遺書には当然、紗栄子へのいじめのことが書いてあるはずだった。



そして、紗栄子が深い恨みを持っている相手の名前はきっとその遺書に書いてあるはずだった。



紗栄子は死んでもなお、自分をいじめた相手に罪の十字架を背負わせたかったに違いない。



だとしたら、遺書に書かれている個人名は村上晴江や原島虎治だろうか?



そんなことを思いながら、智恵は加藤先生が紗栄子の遺書を読むのを待っていた。
< 29 / 264 >

この作品をシェア

pagetop