平然と嘘

知らされず


どんなに澪が
大事な存在であるか
思い知らされた。

ひと月経っても
ふた月経っても
澪は、お袋の元から帰らず

そんなときに
お袋から連絡があり
「澪に、何かあったのか?」
「あ~っ、産まれて退院して
今日戻ってきたから
連絡しただけ」
と、平然と言うから
「なんだよっ、何で知らせて
くれなかったんだよ。
俺は、父親だぞ。」
と、怒りながら言う俺に
「へぇ、父親だと自覚あるの?
妻が妊娠して辛い思いをしているときに
浮気をして、快楽を味わって
いるやつが、自覚があるとは
思っていなかったから
子供に興味さえないと
思っていたからね。」
と、言われて
「勘弁してくれよ。
本当に反省してるんだよ。
俺には、澪が必要で
大切に思っている。
子供も大事なんだよ。」
と、切々と訴える俺に
「あんた、またこんな事したら
ただじゃ、すまないよ。
私は、あんたの母親だけど
澪の母親でもあるんだからね。」
と、言われて
「ない。二度ないから
頼む、会わせてくれ」
と、泣きながら頼んで
合わせてもらった。

毎日、澪と大和の元に通い
産後落ち着いてから
澪は、戻ってくれた。

それからは、大和を交えて
三人で過ごしてきた。

俺は、戻ってくれた
澪に感謝しながら
澪を愛して
良い夫、良い父親として
毎日を過ごした。
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