。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。

*戒Side*



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** 戒Side **


掃除も思いのほか早く終わった。と言うのも、リビングはそれ程散らかってないし、トイレ掃除は一ノ瀬と進藤に任せて、俺と響輔は風呂掃除。


互いにジーンズの裾を捲って洗剤で泡だったスポンジを手にゴシゴシ…


「ねぇ響ちゃん♪」


俺はバスタブの内側をゴシゴシしていた響輔にニヤリと笑いかけた。響輔はちょっと警戒するように顎を引き、


「何ですか」


「あの女狐とのメイクラブどやった?」


「……!」


動揺した響輔はバスタブの底にくっついていた泡に足を取られて、「わ!」と言いその場に滑り転びそうになったが、バスタブの淵を掴んで何とか阻止した。


「なん……!」


何で!?と聞きたいらしい。だけど立ち直りも早く


「まさかお嬢が……」


「いや?アイツ何も言ってねぇよ。ただあいつの態度見てりゃ何となくナニを目撃したのか分かるし。てかあいつ分かりやすっ」笑い声をあげると、響輔は額に手をやって項垂れた。


「ええな~響ちゃんは、ストレートに手ぇが出せて」


「ストレートに手って…てかメイクラブとかイマドキ言いませんよ」響輔がため息をつく。


「そりゃ俺だってしたい。朔羅としたい。でも今の状況、キス以上はできねぇからな」


はぁ、今度は俺がため息を吐いてその場で思わずしゃがみ込む。視線の先はシャワーノズルで、さっき磨いたばかりだからピカピカだ。そのピカピカのノズルに落ち込んだ自分の顏が映っている。


「俺……この旅行大丈夫なんかな…」


思わずこぼすと


「どうしたんですか、あなたらしくない…」響輔がちょっと困ったように眉を寄せ


「(行き道で小耳に挟んだが)女子たち水着持ってきたっぽいんだぜ!」


スポンジをぎゅっと握ると、指の間からにゅっと泡が飛び出た。


「…はぁ、それが何か…」響輔は目をパチパチ。


「水着だぜ!ビキニだぜ!俺、耐えられるか自信がない!!」


「………」


響輔はバスタブの手すりに視線を落とすと、またふいに顏を上げ


「耐えてください」


と、冷たくバッサリ。


響輔~~~~!!!




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